迷惑なチーム勧誘
作:なぉ
「だから・・・・・・な? もージュレ1にでも行ってナンパしてこいナンパ!」
スライム柄コタツでぬるんだミカンをぎゅっとつぶす勢いで、派手な髪型の魚女リーダーが吠えた。
ぽたぽたと、汁がたれている。
大きいのに。おいしそうなのに。ミカン。ちゃんと食えよ。
・・・・・・怖ぇ。
「フェルマーズ」というトチ狂った名前のチームに無言勧誘され、
手が滑った勢いで承認してしまったのだが。
大体フェルマーズってなんなんだよ。
☆フェルマーを待ち続ける会☆
って、おかしいだろ。
そもそも誰だよ。フェルマー。チームの中にいるわけでもないのに!
うん。
普段、よほどチーム員に相手にされていないのか。
チームハウスであるリーダーの自宅で、
軟禁状態で、
わけのわからん説教で小一時間。
三角座りをしながら、じっとスライムの模様を眺めている、このくっそ無駄ぃ時間。
正直、後悔している。
そう、あれは2時間ほど前だったろうか。
俺はグレンにたどり着き、まちかど掲示板とやらを見ていた。
【強ボスの討伐タイムランキング】
【チームを探す】
【みんなのお知らせ掲示板】
ふむふむ。
こういう親切な案内が街中にあるだけで、
ここはたぶん、きちんと統治された、いい世界なんだろうなあという判断がつくのだ。
冒険者が旅の先々で撮った写真になにやら書き込み、そのネタの出来を競うという、なんともほっこりしたコーナーまである始末。
ほー、イルカが見れる海岸ねえ・・・・・・行ってみようかな。
ん、なんだこの変なペンギンの絵葉書は。
と、ちょっと視線をそそいだ途端に、肩をつかまれた。
振り返ると。
変な、青白い肌をした派手な髪型の魚女が、にこにことペンギンの絵葉書と俺を交互に見つめていた。
「あっ!それ! かわいいでしょ~私だよ私!」
・・・・・・はい?
「ドレスアップだよ、ドレスアップ! ウサギパーカー使ってね、ランプ装備の下を染めてねえ。あのだっさい超パーティ仮面がこんなとこで役に立つとか思ってなかったわ~」
聞いてない。俺はまったく聞いてない。質問してない。そもそも一言も何も言ってない。
「あ、ちょっとここのボタン、押してくれない?」
ガっと手をつかまれ、「イイネ!」と書いてある、小さなボタンを押してしまった。
「ふぅー・・・やっとビリから抜け出せた! あ、100Gは私が払っとくから~♪」
いや、ビリだったのかよ。そんで俺の投票で.自分におひねりかよ。
おいこれ、不正じゃねえか!!!!!!!!!
「そうそう、ついでにこっちもポチっと・・・」
ちりり~ん♪
と、途端に。
俺の斜め上?に、黄色い・・・・・・なにやら別の世界で経験した、天の声のような、いやそれよりももうちょっとありがたみがなさそうな、実用的っぽい・・・・・・
よくわからないが、うん。
{もい!}
{チームチャットって言うんだよ~}
{おお、新しいメンバー?}
{私のペンギンを気に入ってくれてね~}
{どうせまた無理やり入れたんだろ}
連絡手段、のようなものか?
「ほらこう、ちょっと右上に向かって・・・えっとね、こう・・・超能力っぽく、えいっと話しかけてみて」
わかるか?! そんな説明で?!
ううう、うーん・・・えいっ
{・・・なんなんですか、これ}
あ、いけた。
{おお、やっぱりわかってねーw}
{無言勧誘だな}
{抜けていただいて大丈夫です;}
{無理やりはやめましょう}
{うん、ほんとやめて?}
なるほど。遠くの仲間と交信できるツールね。
便利だなー
{いえ、まあ・・・}
{活発なリーダーさんですね・・・}
{すみません;}
あ、うん。これ、リーダーの暴走に苦労してるタイプの集団だ。
うん。
経験上、こういうのは、支える側に優秀で親切なのが多い。
{いえいえ}
{まだ、この国に慣れてなくて}
{ありがたいです}
予想通り、
{おお! じゃあまずね}
と、詳しい、この国の説明をはじめてくれる。
まずはルーラ石を取って、転職出来るようにして、か。
ふむふむ。
{チームの石でよければ}
{大使からすぐにもらえますよ}
ほー。便利そうだ。
で。
魚女がニヤニヤしながらチーム大使まで案内してくれて、
「使ってみろ」
と言われて、不思議な力とやらで着いた先が、チームリーダーの、この家で・・・・・・
ようせいのラムネとやらを自分だけ飲みながら、
「フレとは何か」
とか
「そもそも世界の平和とは」
とか
「ラスボスは全部イケメンにしろ」
とか
ご高説をずっと聞いているのが、今なわけで。。。
黄色いチームチャットとやらでも話していたのだが、
みんな、だんだんと相手をしなくなっていってて。
はあ。
うんまあ、たぶん。
もっといいチームがある。
もうちょい、この世界の仕組みに慣れたら。
俺は、まだまだしゃべり続ける女ウエディ(という名前の種族だとか。こいつに限ってはクソ魚女でいいと思う)
を見ながら、
もしかしてこいつが、今のところのラスボスかもしれないとか思いながら、
じっと耐えていた。
続く
※
なんかこう、
小説を書くってやっぱ性格出ますね。。。
書くかわかりませんが、名前出してもいいフレ・チーム員がいたら
コメントやフレチャなどでよろしくお願いします
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作:なぉ
「だから・・・・・・な? もージュレ1にでも行ってナンパしてこいナンパ!」
スライム柄コタツでぬるんだミカンをぎゅっとつぶす勢いで、派手な髪型の魚女リーダーが吠えた。
ぽたぽたと、汁がたれている。
大きいのに。おいしそうなのに。ミカン。ちゃんと食えよ。
・・・・・・怖ぇ。
「フェルマーズ」というトチ狂った名前のチームに無言勧誘され、
手が滑った勢いで承認してしまったのだが。
大体フェルマーズってなんなんだよ。
☆フェルマーを待ち続ける会☆
って、おかしいだろ。
そもそも誰だよ。フェルマー。チームの中にいるわけでもないのに!
うん。
普段、よほどチーム員に相手にされていないのか。
チームハウスであるリーダーの自宅で、
軟禁状態で、
わけのわからん説教で小一時間。
三角座りをしながら、じっとスライムの模様を眺めている、このくっそ無駄ぃ時間。
正直、後悔している。
そう、あれは2時間ほど前だったろうか。
俺はグレンにたどり着き、まちかど掲示板とやらを見ていた。
【強ボスの討伐タイムランキング】
【チームを探す】
【みんなのお知らせ掲示板】
ふむふむ。
こういう親切な案内が街中にあるだけで、
ここはたぶん、きちんと統治された、いい世界なんだろうなあという判断がつくのだ。
冒険者が旅の先々で撮った写真になにやら書き込み、そのネタの出来を競うという、なんともほっこりしたコーナーまである始末。
ほー、イルカが見れる海岸ねえ・・・・・・行ってみようかな。
ん、なんだこの変なペンギンの絵葉書は。
と、ちょっと視線をそそいだ途端に、肩をつかまれた。
振り返ると。
変な、青白い肌をした派手な髪型の魚女が、にこにことペンギンの絵葉書と俺を交互に見つめていた。
「あっ!それ! かわいいでしょ~私だよ私!」
・・・・・・はい?
「ドレスアップだよ、ドレスアップ! ウサギパーカー使ってね、ランプ装備の下を染めてねえ。あのだっさい超パーティ仮面がこんなとこで役に立つとか思ってなかったわ~」
聞いてない。俺はまったく聞いてない。質問してない。そもそも一言も何も言ってない。
「あ、ちょっとここのボタン、押してくれない?」
ガっと手をつかまれ、「イイネ!」と書いてある、小さなボタンを押してしまった。
「ふぅー・・・やっとビリから抜け出せた! あ、100Gは私が払っとくから~♪」
いや、ビリだったのかよ。そんで俺の投票で.自分におひねりかよ。
おいこれ、不正じゃねえか!!!!!!!!!
「そうそう、ついでにこっちもポチっと・・・」
ちりり~ん♪
と、途端に。
俺の斜め上?に、黄色い・・・・・・なにやら別の世界で経験した、天の声のような、いやそれよりももうちょっとありがたみがなさそうな、実用的っぽい・・・・・・
よくわからないが、うん。
{もい!}
{チームチャットって言うんだよ~}
{おお、新しいメンバー?}
{私のペンギンを気に入ってくれてね~}
{どうせまた無理やり入れたんだろ}
連絡手段、のようなものか?
「ほらこう、ちょっと右上に向かって・・・えっとね、こう・・・超能力っぽく、えいっと話しかけてみて」
わかるか?! そんな説明で?!
ううう、うーん・・・えいっ
{・・・なんなんですか、これ}
あ、いけた。
{おお、やっぱりわかってねーw}
{無言勧誘だな}
{抜けていただいて大丈夫です;}
{無理やりはやめましょう}
{うん、ほんとやめて?}
なるほど。遠くの仲間と交信できるツールね。
便利だなー
{いえ、まあ・・・}
{活発なリーダーさんですね・・・}
{すみません;}
あ、うん。これ、リーダーの暴走に苦労してるタイプの集団だ。
うん。
経験上、こういうのは、支える側に優秀で親切なのが多い。
{いえいえ}
{まだ、この国に慣れてなくて}
{ありがたいです}
予想通り、
{おお! じゃあまずね}
と、詳しい、この国の説明をはじめてくれる。
まずはルーラ石を取って、転職出来るようにして、か。
ふむふむ。
{チームの石でよければ}
{大使からすぐにもらえますよ}
ほー。便利そうだ。
で。
魚女がニヤニヤしながらチーム大使まで案内してくれて、
「使ってみろ」
と言われて、不思議な力とやらで着いた先が、チームリーダーの、この家で・・・・・・
ようせいのラムネとやらを自分だけ飲みながら、
「フレとは何か」
とか
「そもそも世界の平和とは」
とか
「ラスボスは全部イケメンにしろ」
とか
ご高説をずっと聞いているのが、今なわけで。。。
黄色いチームチャットとやらでも話していたのだが、
みんな、だんだんと相手をしなくなっていってて。
はあ。
うんまあ、たぶん。
もっといいチームがある。
もうちょい、この世界の仕組みに慣れたら。
俺は、まだまだしゃべり続ける女ウエディ(という名前の種族だとか。こいつに限ってはクソ魚女でいいと思う)
を見ながら、
もしかしてこいつが、今のところのラスボスかもしれないとか思いながら、
じっと耐えていた。
続く
※
なんかこう、
小説を書くってやっぱ性格出ますね。。。
書くかわかりませんが、名前出してもいいフレ・チーム員がいたら
コメントやフレチャなどでよろしくお願いします
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